辺境騎士団のお料理係！～捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります～ 2

「え、ええ……」
　勢いよくジェナが魔石コンロに飛び乗った。今のジェナは、魔石コンロの熱がなくても、自分で自由に温度を調整できるのだが、あえて魔石コンロの上を選んだようだ。
「リティカ嬢、じゃあ、これを混ぜて」
　イレネが混ぜてくれたソースを、フライパンに注いでいく。ジェナがぷるぷると身体を揺らした。
「ゆっくり、丁寧に混ぜてねー」
　火加減の方は、ジェナが完璧にコントロールしてくれる。おっかなびっくりといった様子で、リティカはフライパンの中身を混ぜていた。
　腰が完全に引けていて、不自然に背中を折り曲げた姿勢だけれど、今はそこを追求しなくてもいいだろう。
（――よし！）
　そうしたら、次の工程だ。ある程度煮詰まったところで下ろし、バットに注いで、氷を敷き詰めたバットの上で冷やす。