辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 どうしよう。どこかで妥協すべきだろうか。
 辺境まで来てもらわずに、王都の屋敷で菓子職人をしてもらうとか。でも、試食はエルがしたいし……。
「ごめんね、よくわからなくて」
「ううん、それより、殿下。この箱にクッキーを詰めましょう。お土産です!」
 普通の王子はお菓子なんて焼かないかもしれないけれど、ハビエルはエルと一緒にお菓子を焼いた。二人では食べきれない分量だから、王宮にも持ち帰ってもらおう。
 
 クッキーの箱を抱えたハビエルが、満足して王宮に戻るのを見送った頃、兄達が戻ってきた。
「エル、散歩に行こうぜ!」
「お菓子買ってあげるから!」
 ラースとハロンがエルを誘ってくる。遊びに連れて行ってもらえるのは嬉しいけれど、今は遊ぶより菓子職人探しをしたい。
< 241 / 435 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop