辺境騎士団のお料理係！～捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります～ 2

「そうだ。魔術師団の魔術師から、素敵な飴を作る職人がいると聞いたんです。行ってみませんか？」
　先に書斎に本を片づけに行っていたメルリノが声をかけてきた。なんでも、動物や果物の形に飴を作ってくれる職人の屋台があるそうだ。
「飴！」
　前世でも、飴職人の素敵な仕事を見たことがある。これが本当に飴なのかと思うほど繊細な細工がケーキの上に乗っているのを見たこともあった。
「行きたい！」
　菓子職人探しは、ひとまず後回しにしてもいい。
　魔術師団員には、甘いものを好む人が多いそうだ。頭を使うと、どうしても甘いものが欲しくなるらしい。
　そのため、王都の美味しい菓子屋についての情報は、魔術師団内で共有されているという。