辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 そこにエルからの冷たい目で、うろたえてしまったらしい。
「クレオ勘違いしてるでしょ!」
「勘違い……?」
「辺境は、甘い場所じゃないんだからね。駄目な騎士を辺境にやるはずないでしょ。死ねって言ってるようなものじゃない」
「……でも、僕達から逃げられない段階で脱走なんて無理じゃない?」
 ぼそっとハビエルにとどめをさされて、クレオはうなだれた。小さな子供達とフライパンに包丁、そしてぬいぐるみである。本当なら勝負にだってならない。
「でも、辺境伯領で鍛えたら、エル達なんて軽くかわせるようになるかもね」
 以前、聞いたことがある。
 失敗をしたとしても、見込みがあると思われた者だけが辺境に送られる。
 本当に駄目ならば、別の場所に配属になる。いっそ事務方への転職とか。
< 284 / 435 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop