辺境騎士団のお料理係！～捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります～ 2

　トルテもすき焼きを気に入ってくれたから、辺境伯領で生活しても問題はなさそうだ。食事情に関しては。
「……あれ、ジェナ。どうしたの」
　窓から飛び込んできたジェナが、エルの肩をつんつんとつつく。ジェナの上には、ベティとスズが鎮座しているのもいつものこと。
　ジェナに促されて窓の外に目をやれば、荷物を満載にした荷馬車が停まろうとしているところだった。
「おおお、噂をすればネーネさん！　トルテ、一緒に来て！」
　エルはトルテの手を引き、裏口から外に出た。
「エル様、久しぶり！」
「ネーネさん、ネーネさん、久しぶり！　エル、ネーネさんに会いたかったよ！　今日は何を持ってきてくれたの？」