辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 そういえば、前世では日本酒を使ったお菓子もあった。こちらもワインをお菓子に使うこともあるから、トルテに相談してみよう。
「あら、そちらの方は?」
「トルテはねえ、うちの菓子職人! おいちいお菓子つくりゅ!」
 ネーネを前にすると、興奮してしまってつい舌ったらずになる。噛んでしまったことに赤面していたら、ネーネはかがんでエルと目の高さを合わせてきた。
「辺境伯領のお菓子が美味しいって噂は、私も聞いてるわよー」
「ネーネしゃんの住んでいるところまで届いた?」
 まさか、そんなところまで噂が届くなんて。けれど、ネーネは首を横に振った。
「いえ、王都に行った時にちょっと……ね。オペラ、だったかしら?」
「チョコレートのケーキ!」
「私も食べてみたいの。チョコレートを持ってきたら作ってくれる?」
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