辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
(よし、お裁縫を覚えよう!)
 父に頼みごとをする時は、今でもちょっとドキドキしてしまう。愛されているのはわかっているし、よほどのことでない限り却下されないのもわかってはいるけれど。
「お裁縫も覚えたいの。裁縫部の人にお裁縫を教わろうと思って」
 仕事をしている父のところに行ってお願いしたら、少しばかり困った顔をされた。繕い物をしたがっていると思われたらしい。
「まだ早いんじゃないか? お前は働きすぎだ」
「そんなことないよ? ぬいぐるみを作ったり、お人形のお洋服を作ったりしたいんだもん」
 裁縫を覚えたいのは、あくまでも遊びの延長だ。そう力説したら、父は裁縫を習うことを許可してくれた。
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