辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 ロドリゴの膝に持たれるようにして、エルは考え込んだ。 
 前世でだって、人々の差別意識をなくすのは不可能だった。どこにだって、その意識は存在する。
 それでもなお、魔族領との交易を勧めるのであれば、反対する声が大きいであろうことも容易に想像できた。
(エルに一働きしろってことは、料理を作れってことだろうな……)
 国王がエルに何を期待しているのかはよくわからないが、エルにできることというのはそう多くない。
 料理を作るかお菓子を作るかだ。
(辺境伯領と魔族領と王都を結びつける、そんなもの)
 交易が始まるとこんな利点があるというのをわかりやすく王都の人々に伝えるにはどうしたらいいだろう? 
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