辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
「そう大人数ではないわ。チョコレートは貴重だものね」
 貴重? と首をかしげながらも、エルはロザリアの後ろをぺたぺたと歩いていく。ハビエルは、鞄からのそのそでてきたスズを両手で抱えてご機嫌であった。
 ジェナとベティも、勝手に鞄から出てきてしまった。エルの背後をふよふよと漂っている。
(これ、大丈夫なのかな……?)
 ちらりとそう思ったけれど、誰もとめないからいいことにしておこう。精霊達は、エルに制御できるものでもないし。
 王妃が二人を連れて行った先には、すでに何人かの女性が集まっていた。王妃自らロザリアを出迎えてくれるなんて破格の待遇に違いない。
 エルが一歩足を踏み入れたとたん、女性達の視線がこちらに突き刺さる。彼女達の視線に射貫かれた気がして、一瞬足がとまった。
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