辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
「あれ、エルはそろそろ眠いんじゃないか?」
 ラースの向かい側に座ったハロンがエルの顔を覗き込む。
「そんなことないもん」
 ふわ、とあくびをする。身体はまだ五歳なので、すぐに眠くなってしまう。夕食後でお腹いっぱい。ラースの体温に包まれているからなおさらだ。
「お、エルはもう寝た方がいいな。誰が部屋まで送る?」
「僕が」
「俺も行く!」
「よし、じゃあ行くか」
 誰が送るかなんて口にしたのはラースなのに、結局四人で部屋を出る。
「おし、抱っこ」
 ハロンが手を差し出し、エルは素直にその腕の中に身を滑り込ませた。エルの部屋は近くにあるけれど、もう眠気に負けそうだ。
「大きくなったけれど、まだ、体力が追いついていませんね」
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