辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
「エルお嬢様、いらっしゃい! 今日はどんな御用で?」
 一番年かさの職人が、代表でエルに話しかける。エルは、頭の両脇でふたつに結わえられたピンクがかった金髪を揺らした。
「あのね、エル、大きなお鍋が欲しい」
「大きな鍋……?」
 職人は困惑した表情になり、うん、と満面の笑みでエルはうなずいた。紫色にも青色にも見える目もきらきらと輝いている。
「三百人分のスープを作れるぐらい大きなお鍋が欲しい!」
「そりゃ大きな鍋だ」
「ロドリゴ様――お父様が、皆でお祝いしてくれるって言ったの」
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