辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

 「…………ロザリア、よく来たな。お前に朗報だ……我が国を敗戦に持ち込んだボルアネア国から、戦利品にと娘を差し出せという話が来てな…………」


 お父様が突然話し始めたと思ったら、ボルアネア国から?戦利品?…………まさか……………………


 「…………先方からは第5王女をと、直接打診があったのだ。私としても娘を差し出すなど、したくはない…………しかし…………そなたが嫁いだら、我々に国政を任せてもらえる事に…………」



 その後からお父様の話は一切耳に入ってこなかった。体のいい厄介払いではないの。私がボーっとしているのを見兼ねて、第2王子が口を開く。


 「お前を所望してきたのは、我が国を敗戦に追いやったベルンシュタット辺境伯だそうだ!ははっあの冥王と言われる憎き辺境伯に嫁ぐだなんて、お前も運がいいな!」


 そう言って高らかに笑うお兄様…………他の兄弟姉妹も笑ったりニヤニヤしたりと皆嫌味な顔をしているわ。

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