辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 「このまま部屋に連れて閉じ込めてしまいたい」

 
 「ちょっとテオドール、それじゃオシャレをした意味がないじゃない!」


 後ろから少し怒り気味のステファニー様の声が聞こえる。でもテオ様が喜んでいる姿を見て、コーディネートが成功したという事で嬉しそうでもあるわ――


 「ふふっテオドールの溺愛具合が見られて面白いわ。ロザリア、美しいでしょう?私がコーディネートして良かったと思わない?」

 「………………不本意だが、そうだな……感謝しなくては」


 「うふふ。では城下町に行きましょう」

 「はい!」


 
 ~・~・~・~



 城下町はバルーンアート祭りを開催中とあって人が溢れていて、そこかしこにバルーンで作った装飾が施してあったり、景品やお土産として売っている物もあった。年に1回開催されるこのお祭りには、国中から人が集まるってテオ様が教えてくださった。


 もの凄い人が来ているのね…………皆とはぐれないようにしなきゃ。


 「何かほしい物があれば、遠慮なく言ってほしい。記念に買って帰ろう」

 「いいんですか?嬉しいです…………こういうお祭りが初めてなので……」
< 102 / 212 >

この作品をシェア

pagetop