辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「このまま部屋に連れて閉じ込めてしまいたい」
「ちょっとテオドール、それじゃオシャレをした意味がないじゃない!」
後ろから少し怒り気味のステファニー様の声が聞こえる。でもテオ様が喜んでいる姿を見て、コーディネートが成功したという事で嬉しそうでもあるわ――
「ふふっテオドールの溺愛具合が見られて面白いわ。ロザリア、美しいでしょう?私がコーディネートして良かったと思わない?」
「………………不本意だが、そうだな……感謝しなくては」
「うふふ。では城下町に行きましょう」
「はい!」
~・~・~・~
城下町はバルーンアート祭りを開催中とあって人が溢れていて、そこかしこにバルーンで作った装飾が施してあったり、景品やお土産として売っている物もあった。年に1回開催されるこのお祭りには、国中から人が集まるってテオ様が教えてくださった。
もの凄い人が来ているのね…………皆とはぐれないようにしなきゃ。
「何かほしい物があれば、遠慮なく言ってほしい。記念に買って帰ろう」
「いいんですか?嬉しいです…………こういうお祭りが初めてなので……」