辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
 
 
 「スカイランタンを飛ばすのは、あの広場で行われるんだ」

 「わぁ…………沢山人が集まっていますね!」


 「私もスカイランタンを飛ばすのは初めてだわ」


 ステファニー様も楽しみにしている事が伝わってくる。


 「楽しみですね!」

 「ええ…………スカイランタンには願い事を書いて飛ばせるのよね?ロザリアは何をお願いするか考えている?」

 「はい……もう決まってます。ステファニー様も決まっていますか?」


 「……………………ええ、叶いそうもないけど……どうしようかなって迷い中……」


 きっとブルンヒルド様の事よね……横顔がとても切ない。なぜ叶いそうもないのか、ステファニー様の心の奥の事を私が根掘り葉掘り聞く事は出来ない。でも願わずにいられない、ステファニー様のお願いが叶う事を――


 「あそこでスカイランタンを配っているな…………皆の分も取ってこよう。ちょっと待っていてくれ」

 「はい」


 テオ様を待っている間、ステファニー様とブルンヒルド様がお話している。ブルンヒルド様はステファニー様と話している時はとても楽しそうで…………二人を見ていると…………あれ?……………………もしかして……………………私の考えが間違っていなければ、ブルンヒルド様は――――――
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