辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
ベルンシュタット辺境伯が………………これはチャンスかもしれない。あの時言えなかったお礼を言いたいし、この醜悪な城から抜け出す事が出来る……
「……お父様、承知いたしました。ロザリアはベルンシュタット辺境伯に嫁ぎたいと思います。王妃殿下、お兄様方、お姉様方、皆さまもお元気で……お過ごしください」
私は自分の中で最高のカテーシーをして、玉座の間を後にした。
後ろからお兄様らしき人物の叫び声が聞こえるけど…………そんな事はもうどうでもよくて……早くこの城を抜け出したい一心だった私は、部屋に戻り次第、出て行く準備を始めたのだった。
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お父様から通達された3日後、私は誰に見送られる事もなく、城を出立した。
お城で私に仕えてくれていたエリーナは、もちろん一緒に行ってくれる……置いていくなんて出来ないものね。エリーナが来てくれれば見知らぬ土地でもちょっぴり安心だわ。