辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
ヒルド様の相談事
お祭りの後、ステファニー様とブルンヒルド様はお帰りになられて、私とテオ様はお城に帰ってきた。
お祭りではとても歩いたので、その晩はぐっすり眠ってしまい……目覚めたらお昼が近い時間になっていて、テオ様は…………もうお仕事に行ってしまわれたわね。
お見送り出来なかった事を残念に思っていると、エリーナが「旦那様にはゆっくり寝かせてあげて、と言われていましたので!」と嬉しそうに言われてしまう。恥ずかしさと優しい気遣いに嬉しくなったり、朝から心臓がうるさくて幸せ――
そんな事を考えながら遅い朝食を済ませて庭園に行こうと考えていると、エリーナがやって来て「ロザリア様に来客です」と告げるのでエントランスに向かう事にした。
そしてそこには前日にお別れしたばかりのブルンヒルド様が優雅に立っていたのです。
「やあ、ロザリア。突然の来訪でごめんね~テオドールはお仕事?」
「ブルンヒルド様?こんにちは、テオドール様はお仕事に向かわれていますが……何かご用でしたか?」
「うん…………君に相談があって来たんだ。少し時間をもらってもいい?」
「?」
ブルンヒルド様の様子が少しおかしい感じがして、私は相談に乗ってあげなければと応接間に案内した。
「ロザリアはステファニーと仲が良いよね…………相談というのは彼女の事なんだ」
「ステファニー様の事、ですか?」