辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
私はブルンヒルド様がステファニー様のお話をし始めて、ピーンときて…………これはきっと恋愛相談ね。ステファニー様との関係に悩んで私に相談をしてきてくださったのだわ。二人の恋を応援している私は、ドキドキしながらもブルンヒルド様の相談に身を乗り出した。
「うん……昨日のお祭りでスカイランタンを一緒に飛ばして…………彼女の願い事がチラリと見えてしまったんだけど……」
ステファニー様の願い事が?ステファニー様の願い事は、ブルンヒルド様と結ばれる事だと思っていたのだけど違うのかしら――
「……………………良い相手が見つかりますようにって書いてあったんだ……」
「え?それは本当ですか?」
「うん……………………ステファニーが私を想ってくれているのは分かっていたんだ。でも昔にあった事件で彼女に触れる事が出来なくなって……今まで私が臆病なせいで彼女に近づけないでいたのだけど、昨日、彼女の願い事を見てショックで……もう私の事は何とも思っていないのだろうか…………」
そんなはずはないと分かってはいるのだけど、ステファニー様のお気持ちを私が言ってはダメ、よね…………なぜ他の方との結婚を考えていらっしゃるのかしら………………
「ブルンヒルド様とステファニー様の事はテオ様から少し伺っています。ブルンヒルド様はなぜ触れなくなってしまわれたのですか?」
「言いにくいだろうからヒルドでいいよ。…………私にとって彼女は昔から女神のようであり、お姫様であり……とにかくそういう人だったんだ。彼女は勝気だけど繊細で、だれよりも優しくて…………自分よりも他人を優先してしまう、幼い頃からそんな人なんだよね。だから危うさもあって、私が守ってあげたいとずっと思っていた」