辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
旦那様のお誕生日会
「そうか、そんな話を…………ヒルドが迷惑をかけたね、ロザリー」
ヒルド様が帰って、私とテオ様は応接間でお茶を飲んでいた。例のごとくテオ様の膝が定位置の私――
「いえ、私はヒルド様がステファニー様を想っている事を知る事が出来て、とても有意義な時間でした。お互いに素直になって、結ばれてくれたら嬉しいのですけど……」
「うん……でもそう簡単には事が動かないだろうな。ステファニーがそうやって書いたという事は相当な覚悟をしているという事だし、何より……ヒルドがステファニーに触れる事が出来なければ、想いを伝えても口だけになってしまう。そうなったら……」
「ステファニー様はもっと傷ついてしまいますものね…………」
「…………そうだな……」
昔からお付き合いしているお二人の事だから、テオ様も辛そう…………少しでもお力になれるといいのだけど――
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夏は庭園や菜園のお手伝いに忙しくて、あっという間に過ぎ去った。ベルンシュタットの夏は意外とカラッとしていて暑苦しさがなく、とても快適だった。
作物も育ちやすい環境のおかげで大豊作、私は菜園で取れたお野菜をグリンゴールに渡して調理してもらったり、私も一緒に料理をしたり…………ベルンシュタットに来てから、自分で出来る事がとても増えた気がする。