辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 「テオ様、お誕生日おめでとうございます!」

 「……ロザリア…………これは一体…………」


 「テオ様のお誕生日会をした事がない事に気付いて……ステファニー様が教えてくださったのです」

 「君が計画してくれたのか?」


 私は不安な気持ちと照れくささと両方混ざり合い、ただ頷いてみせた。テオ様は突然私を抱き上げ、私の服に顔を埋める…………その姿が喜びを嚙み締めているように感じて、テオ様の頭をぎゅうっと抱きしめた。そして顔をゆっくりと上げて、私に大好きな笑顔を見せてくれる。


 「……ありがとう、こんなに嬉しい誕生日は初めてだよ」


 「ふふっデレデレね!喜ぶのはまだ早いわよ」

 「テオドール、誕生日おめでとう。僭越ながら出席させてもらったよ、ロザリアがとっても頑張って用意していたんだよ~」

 
 「ステファニーにヒルドも来てくれたんだな。皆ありがとう」


 テオ様を食事をするホールに連れて行って、私が手伝った料理を披露した。このお城に来てから、グリンゴールに沢山料理を教わったから……それがこんなところで活きてくるなんて、頑張って良かったわ――

 料理に使ったお野菜も自分で植えて収穫したものもある。
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