辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 それについてはステファニー様もヒルド様も驚いていらっしゃった……辺境伯夫人が自給自足なんて、普通考えもしないわよね。


 最後にケーキが出てきて――


 「奥様と二人で作らせていただきました~このネームプレートは奥様がお書きになったのですよ!」


 グリンゴールはケーキについて、テオ様にあれこれと伝えてくれている。ケーキはグリンゴールの言う通りに作っただけなんだけど、そう言われるとちょっと恥ずかしい。


 テオ様は沢山頬張ってくれて、美味しい美味しいと食べてくれた。皆で食べたらケーキはあっという間になくなり、私はお酒は飲めないけど皆ほろ酔いで大いに盛り上がってお誕生日会は幕を閉じた。

 


 その夜、自室でテオ様に手作りのプレゼントを渡した。やっぱり皆がいる前ではちょっと恥ずかしくて、二人きりの時になってしまったけど、とても喜んでくれて――

 

 「これは他の国ではミサンガという物らしいです。お守りとして身に着けるものらしくて……テオ様をお守りしてくれますようにって思いを込めて編みました」

 「ロザリーに着けてほしい……」


 「わかりました!」

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