辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「ロザリア様~~旦那様に出会えて本当に良かったですね!旦那様はいつもロザリア様の事を想っていますし、ロザリア様が幸せそうだと私も嬉しいです……」
「きっと神様がご褒美をくれたんですよ。今まで頑張ってきたから」
皆優しいわね…………いつかここでの生活も当たり前になって、辛かった日々を消化出来るといいな……今はまだ思い出すと胸が痛む時もある。でもこうやって幸せを積み重ねていけば――――そんな事をぼんやりと考えていた。
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無事にテオ様のお誕生日をお祝いし、年が明けると、ベルンシュタットで迎える2回目の私の誕生日がやってきた。
その日は朝からチラチラと雪が降ってきて、とても寒かったのをよく覚えている。
テオ様にベルンシュタットの教会に連れて行かれて、私の誕生石であるガーネットが入った美しい指輪をプレゼントされ、左手の薬指にはめてくれて……そこで改めてプロポーズをされたのだった。
教会には私たち二人以外、誰もいない――――
「ロザリア…………16歳の誕生日おめでとう。私は君のように気の利いた誕生日会などをしてあげる事が出来ないけど……この指輪を君に贈って、改めて君に求婚させてほしい」
「テオ様…………私は十分幸せです。この指輪もとっても嬉しい……」