辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

 「ロザリー、それは私の言葉だよ。君に出会えた私が幸運だったんだ」


 膝に乗せた私の肩を抱いて、額にキスをくれる――


 「皆様に心配をかけていますし、陛下にもしっかり挨拶しますね」

 「私もいるから大丈夫だ。当日はステファニーとヒルドも来るからね」

 「ステファニー様とヒルド様は…………」

 「ヒルドがステファニーをエスコートする事になっているよ。先日ヒルドに会ってその事を聞いたら、ヒルドがようやくステファニーに申し込んだらしい」


 私は思わず顔が輝いてしまった。ついにヒルド様が勇気を出して、ステファニー様に申し込んだのね!


 「ステファニー様も嬉しかったでしょうね……」


 きっととびきり美しく女神のようなステファニー様が見られそうで、楽しみが増していくわ。


 「ヒルドがステファニーの誕生日にジルコンの宝飾品を贈ったらしい。ステファニーの誕生石でもあるけど、ヒルドの色でもあるから、ステファニーも喜んだだろう……その時に申し込んだってヒルドが興奮して話していたよ」


 その時のヒルド様の様子を思い出しているのか、テオ様は笑っている。私も想像して思わず笑ってしまった。


 「舞踏会も楽しみですけど、お二人を見るのも楽しみです!」
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