辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「…………そうだな、でも私としては妻の美しい姿を見る方が断然楽しみだよ。侍女たちが張り切っていると聞いているし、私のドレスを着ているロザリーを見る事が楽しみで仕方ない」
「……もう……プレッシャーをかけないで下さい…………テオ様が15歳の誕生日に贈ってくださった首飾りも着けますので。ようやく着けられる日が来て嬉しくて……」
テオ様は私の片手を持ち上げ、手の甲にキスを落とす……そのまま自身の頬に持っていき、私を見つめてくる――
「舞踏会の為に着飾るのだけど、君を城に閉じ込めておきたい衝動に駆られるよ…………」
「……………………ふふっ私は折角ですから、舞踏会に行きたいです」
テオ様は盛大に溜息をついて「行かせたくないな…………他の者の目に触れさせるなど、気が重い……」
「私は大丈夫です。テオ様の妻として、皆に紹介してください。きっとお役目を果たしてみせます!」
そう言って笑顔を見せると、私を心配して益々盛大な溜息をつくテオ様だった――