辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
ハートカットの胸元に、スカートの広がりが大人しめのプリンセスラインのドレス、腕はベルスリーブと言われる袖口に向かってフレアに広がる長袖――――
ベルスリーブはとても長く、膝のあたりまで流れている。肩のあたりからおびただしい刺繍が施されていて、刺繍のところどころに本当に小さなガーネットが散りばめられているから腕の部分だけでもゴージャスなのに……胸元のハートカットには幾重にもレースが施されていて、こちらにもビジューが――プリンセスラインのスカートはアシンメトリーで、ドレープが幾重にも流れるラインを描いていた。
ベルスリーブもプリンセスラインのスカートも裾に向かって白からゴールドのグラデーションになっていて、散りばめられているガーネットがとても素敵なアクセントになっているわ…………
このドレスを私が着る――――
「………………こんな素敵なドレスを着こなせるかしら…………」
「何をおっしゃいます!ロザリア様しか着こなす事は出来ないドレスかと思います!」
「そう……かしら」
私があまりにも自信ない返事をしていると、侍女長のモネが助言をしてくれた。
「このドレスは旦那様が奥様の為だけにお作りになったドレスです。他の誰かが着てもよろしいのですか?」
「………………それはダメね。ありがとう、モネ。私が喜んで着させていただくわ」
「よろしゅうございました」