辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
もう婚約のお話まで出ているのね!良かった…………テオ様も嬉しそう。私たちがそんな話をしていると、王族の方が二階席のところに現れた。国王陛下、王妃殿下、王太子殿下、王女殿下と次々と入ってきて、貴族たちは話すのを止めて、陛下の方を向いている。
そして爵位が上位の方々から王族の元へ向かい、挨拶をしていく…………私もテオ様と一緒に王族の方々に挨拶をする為に階段を上って行き、カテーシーをして挨拶をしていった。陛下は私をジッと見つめている。
「お初にお目にかかります、ロザリア・ベルンシュタットにございます。」
「うむ。元気にやっているそうだな。ベルンシュタットでの生活は快適かな?」
「はい、私にはもったいないくらい素晴らしい生活をさせていただいております。それも全て、陛下が旦那様との結婚を許可してくださったからです。陛下の寛大なお心遣いに感謝致します」
私は精一杯の笑顔で感謝の気持ちを伝えた。陛下は目を見開いた後、表情を和らげて微笑みながら「良き夫に巡り合えて良かった。今宵は楽しむが良い」とお言葉をかけてくださった。
「ロザリア、行こう……」
テオ様が手を差し出してくださって、私はその手を取り、階段を下りる。テオ様は終始穏やかな顔をされて、挨拶を終えた私を労ってくれた。
「緊張しただろう?頑張ったね」
「……はい。陛下にきちんと感謝の気持ちを伝える事が出来て、安心しました。今の私があるのもテオ様と、陛下の温情があったからこそですから……」