辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
安眠効果…………安眠………………
「まさか、このお茶に何を……………………」
「……それはあなた様が知る必要はないかと」
男性がそう言った瞬間、私の意識がグラッと回り椅子へと倒れ込む…………給仕は私をすぐに抱きかかえ「さぁ、母国へ帰りましょう。国王がお待ちです」と呟いた。
倒れた時の衝撃で、私の首に着けていた15歳の誕生日にテオ様から贈られた首飾りは、シャランと音を立てて床に落ちる――給仕はお構いなしに私を布でぐるぐる巻きにして隠し、その部屋から持ち出そうとしていた。