辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
第三章
妻の為に ~テオドールSide~
ロザリーと想いが通じ合い、何気ない日常がとても幸せなものに変わった。
ステファニーとも仲良くなったロザリーは、一緒に城下町のバルーンアート祭りに行き、そこでヒルドとも出会う。すぐに二人の関係性を見抜いたところは驚いた……後日ヒルドがロザリーに相談しに来て、ロザリーのアドバイスの通りステファニーにアプローチし、二人は想いが通じ合った事を知る。
二人の関係が拗れてから、かなりの年月が経っていたので、友人としてもとても嬉しく感じた瞬間だった。
ロザリーは幸運の女神のようだな――
最初から惹かれ合っていた二人だ……このまま不幸なすれ違いで壊れてしまっては勿体ない。
私の誕生日会の時はまだそんな雰囲気ではなかった気がするが……その辺は二人のみぞ知ると言ったところか。
年が明けてロザリーの16歳の誕生日がついにやって来て、教会で二人だけで生涯の誓いを立てた。ロザリーの誕生石であるガーネットをあしらった指輪を贈り、永遠の愛を誓う――――あの時のロザリーも聖女のように美しかったな……
その後からロザリーは、一生懸命に舞踏会に向けて準備を頑張っていた。
入念に体をマッサージしたり、肌の手入れをしたり、爪や髪の手入れ…………一緒のベッドに眠っていてもいい匂いがして、耐えるのが大変だった記憶しかない。
でも初めての夜会だし、きっとロザリーの事だから私の為に真面目に一生懸命頑張っているのだろうなと思うと、手を出してはいけない気持ちの方が大きくて、理性を保つ事が出来た。