辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「気にするな、ステファニーに付いていてやってくれ。きっと恐ろしかっただろうから……こちらは私が動く。私の妻に手を出した事を必ず後悔させる――」
「……テオドールには勝てる気がしないな。何か手伝える事があったら言ってくれ」
「ああ…………」
ヒルドを見送ってから、陛下の元へ向かった。そして先ほどの事態を伝えると、陛下は目を見開き「今しばし、動くのは待ちなさい」と告げてきたのだ。
「……理由をお聞かせください」
「…………レナルドが跡を追っているだろう……」
「……………………なぜ彼が?…………まさか彼は……」
「隣国の不幸な王女を気にかけていたのは、何もそなただけではない、という事だ」
私は陛下の言葉にただ驚き、立ち尽くしていた――――
そこに小さな伝書鳩が届く。足には小さな手紙が括り付けられていて、陛下はそれを読むと私に内容を伝えてくださった。
「………………ロザリア嬢が連れて行かれたのは、やはりリンデンバーグ国のようだ…………」