辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「ありがたいお言葉…………」
「それでもリンデンバーグが大人しくしているとも思えず……あの国王は欲深い男だからな。そこでレナルドを置いたのだ。そなたに秘密にしていたのはすまなかったが、様々な警戒はしておいた方が良いと思ってな…………」
陛下がレナルドの正体を秘密にしていたおかげで、私は常に多方面に警戒を解くことはなかった……結果的に陛下の思惑通りになったのだ。
「……陛下には感謝しかありません。私はロザリアを取り戻しに行こうと思います。あの国はすでに他国からも国交を絶たれ、ほとんどの民も他国に移り住んでしまい、国として機能しているとは思えませんし、我がベルンシュタット軍で十分かと思います。陛下には今度こそリンデンバーグを滅ぼす許可を頂きたく……」
私がそこまで言うと、じっと考えていた陛下は顔を上げた。
「………………もうそろそろ良いであろう……ベラも許してくれると思う。ロザリアを取り戻し、リンデンバーグを消滅させよ」
「はっ!」
あれほど攻め滅ぼす事を頑なに反対していた陛下が、いよいよ許可を出してくださった。全てを終わらせるという固い決意、覚悟を感じる。
私はすぐに舞踏会を後にし、ベルンシュタット城に戻ってリンデンバーグを攻め滅ぼす準備に入った。作戦会議を行う為に兵達を軍事の間に集める。