辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「そうかしら……でも生きたいと思う気持ちが力をくれているのかもしれないわね。そう思えたのも全部テオ様やレナルドたち皆のおかげだから」
私はレナルドにも感謝の気持ちを伝えた。
「……奥様を必ずボルアネアへ…………ベルンシュタット辺境伯の元へお連れ致します。命に代えましても――」
レナルドはドレスの裾を掴み、そう誓ってくれた。私には勿体ないほどの言葉をくれる……でもそれほどの気持ちを受け取らないのは失礼だから、無言で頷いて見せた。
「行きましょう!」
私は気合を入れ直して前へ進む事にした。無言でただただ歩き続け、一時間は歩いたと思う。レナルドが「少し休憩しましょう」と言ってくれたので、地面に座り込んだ――
「私は少し先の方を見に行ってみます。あとどれくらいなのか、出口が近いのかも確かめたいので……」
「分かったわ、無茶はしないでね……」
立て続けに色んな事が起こったので、肉体の疲労と精神の疲労がドッと出てくる…………座っているだけで眠ってしまいそう。
ここには誰かが来そうもないわね。それくらい静まり返っているので、私は足を抱えてウトウトし始めた――静かだわ――――少しくらい眠っても大丈夫よね――
テオ様――――会いたい――――――――――