辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
眠りに落ちて、頭がカクンッとした衝撃で少し目が覚める。寝ていたのね…………まだ眠れそうだわ…………またウトウトし始めた時、遠くから音が聞こえた。
――――ザッザッザッ――――――
誰かが来るわ………………レナルドかしら……レナルドとはちょっと違う重い足音に聞こえる………………それに複数の音に聞こえるわ……………………まさかリンデンバーグの人間が?
急いでここから逃げなくてはっ――
私は立ち上がり、走り出そうとした――ドレスに足が絡んで上手く立ち上がれない。足に疲れが溜まって思うように動けない…………それでも必死にもがきながら、ここから動こうと走りだした。
テオ様――――お母様――――私を助けて――――――――
そう祈った時「ロザリア!」という声が聞こえた。
この声は
私を呼ぶ大好きな声