辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「分かりました」
「…………ふっ……ロザリーが私に我が儘を通そうとする時が来るなんてね」
テオ様に言われて気付いた、確かに私がここまで食い下がるのは初めてかもしれない……自分の変化に驚いてしまう。
「……可愛いよ。ここがこんな通路である事が残念だ」
「テ、テ、テオ様……………………先を急ぎましょう……」
テオ様はご機嫌でニコニコしている。そして私を抱き上げた状態で走り出した。やっぱりテオ様は力が凄いのね、私を抱き上げた状態でもこんなに動けるなんて。
改めてテオ様の強さを目の当たりにし、私も気を取り直して前を向いた……お父様たちと決着をつける為に。