辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 するとレナルドが深くフードを被り、私を連れ去った者たちと同じ恰好をしているのをいい事に「私が城門まで行って開けてもらいますよ」と言い始めた。流石にそれは危険なのでは…………と思ったのだけど、一人だけ兵士ではない恰好をしていたので、テオ様は乗り気だった。

 
 「ふーん…………行けそうだな……」

 「でしょ?怪しまれないように見た目はそのままにしていたんで。では、行ってきます」

 「え、ちょっと、レナルド…………」
 

 そう言って素早い身のこなしでリンデンバーグ兵の中に紛れていく――――――――


 「大丈夫だ、あいつは軽い事ばかり言うが、やる事はプロだ。必ず遂行するだろう」

 「そう……だといいのですけど…………」


 テオ様は心配する私の頭をぽんぽんしてくれる……レナルドが無事に戻ってきますように、背中が見えなくなるまでずっと見守っていた。


 
 ~・~・~・~

 

 「すみませ~ん、お姫さんを連れてきた者なんですが……お役目終わったので城を出たいんですけど」

 「今は城から出るなと指示が出されている。お前たちも城外に出る事は出来んぞ」

 「ええ~~~それは困ったな!次の仕事もあるのに……どこかこっそり抜けられる出口とかないんですか?これ、渡すから……」
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