辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
兵士に少し金貨を握らせてみた……すると兵士の態度が豹変する。
「………………城門の横に小さな扉がある。そこからなら出られるだろうが……」
「ありがとう!助かったよ~~」
さすが雇われ兵、お金をチラつかせると態度が変わるな……出口を教えてもらったレナルドは、ご機嫌で走って行ってしまった。
――城門前――――――
城門には左右に二人の門番が配置され、城壁に沿って何名かの兵が配置されていた。レナルドは先ほどと同じように声をかけに行く――
「すみません、私は姫さんを連れて来た者なんですが、次の仕事に行きたくて……城内の兵の方に城門の近くにある小さな扉から出ていいと言われて来たのですけど、開けてもらってもいいですか?」
すると右の門番が反応し、応えてくれた。
「……小さな扉?ああ、あそこだな。ちょっと待っていてくれ」
「ありがとうございます~~」