辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「テオドール…………様…………私とあなた様はとても年齢が離れていますし、気安い呼び方は……まだ、出来ません…………」
私は14歳。テオドール様は27歳。さすがにこの年齢差で呼び捨てにする事は憚られてしまう…………私が20歳くらいの女性だったら呼べたのかもしれないけど。
「……分かった。じゃあロザリアの呼びやすい形でいいよ」
そう言って優しい笑顔で頭をわしゃわしゃしてくる。やっぱりお子様枠よね…………分かっていた事とは言え、若干ショックを受けている自分がいる。
「あなたはあの森で出会った時、一生懸命に侍女を守っていたよね…………自身の身分がバレても私のような大男に剣を向けられても両手を広げて守ろうとする姿が、私の心を動かしたんだ。あの時、敵国の王女だったのに君を守らなければって思ったんだよ」
「…………あの時助けていただいて、私もずっとお礼を言いたいと思っておりました……エリーナは私にとって唯一の心許せる人だったから、エリーナがいなくなるなら自分の命など惜しくはなくて。私たちを見逃してくれて本当に感謝しています。ありがとうございます」