辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
テオ様は目を丸くしている……でも望みを叶えられるのは私だけなので、頑張らなければ。私が拳を握りしめて意気込んでいると、テオ様が噴き出すように笑った――
「……………………ははっ頑張らなくてもいいんだけど、それは楽しみだ。じゃあ帰ろうか…………私たちの城へ」
「はい!あ、でもその前に…………少し寄りたい場所があって…………」
「?」
~・~・~・~
私は北の塔の近くにある、墓石のところに来ていた。お母様は王族であって王族の扱いを受けていなかった事もあり、ずっと幽閉されていた北の塔のすぐ近くに埋葬されていた。
そこには先にレナルドが立っていて、お母様に挨拶をしていたようだった。
「レナルド?お母様に挨拶に来てくれていたの?」
「奥様……はい、お先にさせてもらっていました。私にとってもベラトリクス様は特別なお方なのです」
「レナルドにとっても?」