辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
純白のドレスはテオ様が私の為にデザインしてくれた。
舞踏会の為にせっかく贈ってくださったドレスが、攫われた事で汚れたり破れてしまったりで、私がとても落ち込んでいたので……それならば式でのドレスを贈らせてほしいと言ってくださった。
私は落ち込んでいたのも忘れて喜び、私のそんな姿にテオ様は張り切ってドレスを贈ってくれたのだった。
純白のドレスは本当に美しくて…………腕の部分はパフスリーブで余裕を持たせ、手の甲までイリュージョンレースが施された長袖になっている。首にはティアラに負けないほどのダイヤモンドのジュエリーにハートカットの胸元にはシンプルな刺繍とビジューで装飾されていた。
スカートの後ろ部分のトレーンはとても長くて、お化粧の間、座っているのがとても大変だった。スカートの前側はシンプルな作りだけど、トレーン部分は素晴らしいレースと刺繍で…………お姫様をイメージしているのが伝わってくる。
このドレスを来ているだけで、テオ様の愛を感じて胸が温かくなるわ――
「ロザリア様、全て準備が整いました!とってもお綺麗です~!!」
「ありがとう、エリーナ…………今までも今日も」
「幸せになってください、姫様…………あ、ロザリア様!」
エリーナは興奮すると姫様に戻ってしまう事があるらしくて、その度に訂正している姿が面白くて笑ってしまう。
「ふふっどちらでもいいのよ」
「いいえ!明日からは絶対に奥様にします!ロザリア様とお呼びするのは今日で卒業です」