辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
 
 
 「私はあなたをこの世界の全てから守ると誓うよ。私の妻になってくれるね?」
 

 私を守ると言ってくれる方に出会えるなんて――――人生の幸せを全部使い果たしてしまったかもしれない。それでもいい。私はこの時、目の前の素晴らしく優しい人を絶対に不幸にしてはいけない、この人の幸せだけを願って生きようと、固く心に誓った。
 

 「…………はい……」

 
 いつの間にかテオドール様は私の隣に座っていて、涙がポロポロ落ちている私を宥めるように背中や腕をずっとさすってくれていたのだった。


 
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