辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

15歳の誕生日


 テオドール様に改めて結婚を申し込まれ、翌日に教会で簡易な結婚誓約式を行った。神の前で結婚を誓い、書類にサインをするという儀式を終えると、ボルアネア国では正式に夫婦になれる。

 
 私がまだ14歳で社交界にも出られない年齢なので、盛大な式は16歳になってからと言う話になった。

 
 それでも正式に妻になれた私は、テオドール様と一緒にいられる権利を手に入れて、本当に幸せだった。誓約式の時の誓いのキスは頬にしたのだけど、16歳になるまでそういう事はしないという事なのだろうと私は理解した。

 少し残念な気がしてしまう自分もいるけど……テオドール様が誠実なお方だと感じて嬉しくもある。

 
 大切にしてくれているんだわ……私も妻として恥ずかしくないように頑張らなければ。


 ベルンシュタットのお城の皆は本当にいい人ばかりで、リンデンバーグのお城での生活が嘘のようだった。

 綺麗な衣服に包まれて、温かいお湯に浸かれて、食事も栄養満点で…………ここは天国じゃないかなと勘違いしてしまいそうになる。
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