辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 「私はあのような宝飾品は縁遠くて……あのような物は必要最小限で良いのですが……」

 「うん、でも私が嫌なんだ。ロザリアを着飾る物がないのが……それに君に贈るのは私の楽しみでもあるから、受け取ってくれると嬉しいんだけど」


 テオドール様にそう言われると嫌とは言えない。私がテオドール様の楽しみを奪うなんて出来るはずがない……このお方はそれを分かって言っているところがあるわ。


 「………………分かりました。程々でお願いします」

 「嬉しいよ」


 ニコニコ笑うテオドール様は、何故か私を横向きに膝の上に座らせて話す。それが恥ずかしくて侍女たちの顔を見られない…………この方が私の声を聞きやすいからって言われたのだけど、未だに慣れなくて……


 私の前では常にニコニコしているのだけど、ひとたび戦場に立てば鬼の形相で敵をなぎ倒すってお城の人たちに聞いて、全然想像出来なかった。

 この優しい方が本当に鬼に…………


 そんな疑問を侍女長にぶつけてみたところ、驚くような事を聞かされた。

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