辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

 もっと欲張りになってしまう事が嬉しくもあり、苦しくもあった………………

 

~・~・~・~


 
 そしてベルンシュタット城に来てから約1年が経ち、私は15歳になった。


 
 「ロザリア、君にこの首飾りを贈らせてほしい……」



 それは私の誕生石”ガーネット”をあしらった豪華な首飾りだった。私の誕生石を調べて作っていてくれた事に感激してしまう。


 「あり……がとう、ございます……」


 私は上手に笑えているかしら………………ガーネットは絆を深め、勇気や精神力を高めると言われているわ。そして石の色がテオドール様の髪色と同じ……もしテオドール様にとって私が必要のない存在になっても、テオドール様にもらった物や真心は、ずっと宝物にしていこう。


 「一生大切にします」


 いつものように膝に乗せられた状態でプレゼントされ、私はその首飾りが入ったケースを抱きしめてお礼を言った。

 そしてテオドール様が私の後頭部に手をやって、優しく私の顔を引き寄せる…………1つ大人に近づいた私へのご褒美のような優しいキスをしてくれた。唇が触れるだけの優しいキス…………


 「早く16歳になってくれないかな……」

 「……ふふっさすがに私にはそんな力はありません」

 「…………………………そうだよね……分かってはいるんだけど」


 そう言って恥ずかしそうに私から顔を逸らすテオドール様が、何だか可愛く思えてしまった。

 
 私はテオドール様の胸にそっと顔を埋めて、15歳の誕生日の幸せを噛み締めていたのだった。


 
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