辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~

 「ふふっロザリア様は時間があればずっと見ていますね~」


 「だって、本当に綺麗だから…………私の誕生石が入っているのよ。ガーネット……どうして私の誕生日を知っていたのかが分からないんだけど…………」
 

 「そりゃあ愛の力じゃないですか?旦那様はロザリア様には甘々ですもんね!」

 「………………………………それはきっと家族愛よ」


 私がそう言うと、エリーナが心配して顔を覗き込んできた。


 「ロザリア様?本当にそう思っていらっしゃるわけじゃないですよね?」


 「………………………………」

 
 エリーナは納得出来ないといった顔をしているわ……でもテオドール様には、想い人がいらっしゃるって聞いた事があるの。お兄様が言っていたけど、このお城に来た時もその話は聞いた事があるから、本当なんだと思う…………侍女たちが噂しているのを偶然聞いてしまったから。

 
 確か名前はステファニー・ドゥカーレ伯爵令嬢だったわ。


 テオドール様の昔馴染みで20歳、結婚の約束をしていたとか…………私は二人の仲を裂いてしまったのかもしれない。私が来たせいで二人は結婚出来なくなったんだとしたら…………テオドール様の為に離縁してあげる事が彼の幸せなんだろうか。

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