辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
パンってすぐに焼くのではないのね……1回発酵させなきゃいけないなんて。私が何気なく食べている物がとても手間がかけられていると知って、ますます料理をしてくれる方々に感謝の気持ちが湧いてくるわ。
「はい、お茶とブラウニーケーキです~」
「……グリンゴール、いつも美味しい料理をありがとう」
私は美味しいお茶をいただきながら、グリンゴールに感謝の気持ちを述べた。ここのお城に来てから、食べ物に困る事もないし、全部が美味しいからとても食べる量が増えたと思う。
そのお陰で、身長も少し伸びたし、体もふっくらしてきている……やっぱり栄養って大事なのね。
それもこれもいつも美味しい料理を作ってくれるグリンゴール達のおかげだわ。
「ど、どうしたのですか奥様……突然私のような使用人にそのような事を」
「だってグリンゴールの作る料理は本当に美味しくて、いつも食べ過ぎちゃうくらい。そのお陰で体の調子はいいし、食べ物に困らないってありがたいなって……お礼を言いたくなっちゃって」
「ロザリア様……」
エリーナは私のリンデンバーグでの生活を知っているから、きっと私の言いたい事を分かってくれているんだと思う。
「奥様…………私らが料理を作るのは仕事ですからいいんですが、私らのような者にそんな事を言ってくださるお方は奥様くらいですよ!ありがたいお話です…………」