辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「この辺りに菜園が出来る場所なんてないかしら……」
「菜園ですか?庭園のそばに造ると景観の問題があるので、そこの角を曲がった場所なら日も当たりますし、出来ると思いますよ」
お兄さんが指を指して教えてくれた場所を見に行ってみると、丁度いい感じの土が敷き詰められている。ブロックで囲ったら菜園が出来そうだわ!
「ここは良さそう!ブロックで囲って…………ちょっとした畑になりそうね」
「はい、ではそのように進めますか?」
「ありがとう!ブロックなんてすぐに用意出来るの?」
お兄さんに素朴な疑問をぶつけてみる。
「この辺りは土よりもブロックや岩などが沢山転がっていますから、すぐに用意出来るかと思います」
嬉しい…………日当たりも良さそうだし、美味しそうな野菜が育ちそうね。
「私は庭師のレナルドと申します。何かあれば何なりとお申し付けください、奥様」
「ありがとう、レナルド。こちらこそ、よろしくお願いします」
私はレナルドに頭を下げ、寒肥を撒いて今日の庭仕事のお手伝いは終わりにした。そしてその日の夜、夕食後にテオドール様と一緒にお茶を飲んでいる時に園庭の話をしてみる事にした。