辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「庭師のお兄さん?」
「はい、庭師の方ってご老人のイメージが強かったのですが、若い方なのですね。今日初めてご挨拶しました」
なぜかテオドール様はとても驚いた様子で、私の話を聞いている。庭師の方に挨拶をしたって話をしただけなのだけど……
「その者の名は?」
「レナルドと仰っていましたが……」
「……ふーん……………………レナルドか。庭仕事を見ていたのかい?」
「あ、いえ…………少しお手伝いをしまして…………私はリンデンバーグで少し庭仕事をした事があったのです。それでこちらでもやってみたいなと思って、庭師の方に手ほどきを受けました。親切に教えてくださって……とても楽しかったです!」
庭仕事は本当に楽しかった……でもテオドール様には違う風に伝わっていたようで…………
「へぇ…………そんなに楽しかったんだ、庭師の手ほどきが……」
「え?違っ…………庭師ではなくて庭仕事が…………」
「私も明日、庭園に行ってみようかな。ロザリアと庭を見た事がないし、庭仕事も楽しそうだね」
「テオドール様に庭仕事なんてさせられません!」