辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 私はまだそこまでの未来を想像出来ないでいたので、目から鱗だったけど、嬉しい…………そんな先の事まで考えてくれるなんて。テオドール様はいつも私に嬉しいをくれる。


 「かしこまりました。丹精込めて手入れさせていただきます」

 「あ、ありがとう、レナルドさん。よろしくお願い、します……」


 私はなぜか気恥ずかしくて声がうわずってしまう……するとレナルドさんが思いもしない事を言った。


 「ふふっ奥様はお可愛らしいお方ですね」

 「え?」


 突然言われた言葉を理解するのに時間がかかってしまった。ふとテオドール様の方を見ると、顔は笑っているけど、何だか体から圧を感じる……


 「レナルド君、後で執務室にくるように……」

 「?はい、分かりました」


 ………………どうしてレナルドさんを執務室に?


 「ちょっと聞きたい事があるんだ。すぐに終わるから心配いらないよ」

 
 そう言ってテオドール様は私の頭を撫でる……私はすぐ顔に出てしまうのね。声に出さなくても全部伝わっている感じがする。
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