辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
レナルドさんが指示してくれた通りに岩を少し埋めながら囲い、囲った部分の土を耕し、余分な石や雑草を取り除いて土を綺麗にしていった。かなりの重労働のはずだったのにテオドール様は全然汗もかかずに作業していて、凄いわ。
日頃から鍛えられている事がよく分かる。私は汗だくで、腕に力が入らなくなってきているのに……自分一人では出来なかっただろうし、共同作業って楽しいな。
「そろそろお茶にしましょう~~!」
エリーナが遠くから声をかけてくれたので、皆手を止めて一休みする事になった。
「ありがとう、エリーナ。もうクタクタで動けないと思っていたの」
「そうだと思いました!そろそろかなって。ロザリア様がお好きなスコーンもグリンゴール様が用意してくださいましたよ~」
「わあ…………美味しそう……」
私が顔を輝かせていると、テオドール様が笑いをこらえているのが見えてしまった。恥ずかしくて顔に熱が集まってくる……