辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~


 「……ロザリアは、スコーンが大好きなんだね……ふっ……今度スコーンの美味しい店に連れて行ってあげよう」

 「ほ、本当ですか?!わぁ…………嬉しいです……」


 ベルンシュタットに来てからお城以外に外出した事がなかったので、一緒にお出かけ出来る事が嬉しかった。決してスコーンの魅力に負けたわけではなくて……でもテオドール様にはスコーンの魅力に飛びついたと思われているわね。

 もの凄く笑っている…………恥ずかしさを紛らわすようにスコーンを勢いよく頬張った。


 「では残りの作業を終わらせてしまいましょう。土も綺麗になりましたし、あとは元肥を撒いて、耕しておけば種を撒けるようになります」

 「そうね、撒いてしまいましょう」


 それほど大きな菜園ではないので、皆でやったらすぐに終わり、その日は解散となった。体はクタクタだけどやり切った気持ちでいっぱい……それにテオドール様と一緒に作業出来た事が嬉しかった。

 こうして一緒に出来る事が徐々に増えていったら幸せだな…………
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