辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
私とテオドール様は結婚誓約式をした時から、一緒の部屋で一緒のベッドで寝ている。私がまだお子様だから……テオドール様は寝る時は手を繋いでくれて、人の温もりを感じるとよく寝られる事が分かったわ。
今日はベッドに入って目を閉じたらすぐに寝られそう…………案の定ベッドに横になっていたらいつの間にか寝落ちしてしまって…………
――私の髪を優しく撫でてくれる…………気持ちいい……この手は……大きな手――――
『……ロザリア…………』
――この手も――
――私の名前を呼ぶ優しい声も――
――大好きなテオドール様のものね…………夢の中でもテオドール様に会えるなんて幸せ――――――
『テオドール様……大好き………………』
日が昇り、明るくなってきたと共に目が覚めて……幸せな夢が終わって残念…………もう現実なのにテオドール様のいい匂いがする………………思わずスリスリしてしまう。
「……ロザリア………………」
テオドール様の声が頭の上から聞こえてきて、ハッとして恐る恐る顔を上げた…………するとすぐ近くにテオドール様の顔があり、自分が思いっきり抱き着いて寝ていた事にようやく気付いたのだった。