辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~
「…………あの時助けていただいて、私もずっとお礼を言いたいと思っておりました……エリーナは私にとって唯一の心許せる人だったから、エリーナがいなくなるなら自分の命など惜しくはなくて……私たちを見逃してくれて本当に感謝しています。ありがとうございます」
やはり…………私が彼女に出会った時に感じた違和感……自分の命には微塵も執着していない姿が自分と重なってしまった。それは彼女が生きてきた環境が全てを物語っている……今まで大切にしてくれたのは、一緒にいた女性だけだったのだろう。その姿がとても痛々しくて、そんな環境で育ったにも関わらず優しさを失わず、大切な人の為に戦える人柄が私の心に響いたのだった。
私は彼女に自分を大事にしてほしい事と、私がロザリアの人生を守ると誓った。
そして彼女は私の妻になってくれる事を承諾してくれたのだった。
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翌日、教会にて結婚誓約式を行い、私たちは晴れて夫婦となる。まだ彼女は14歳なので唇に触れるのは、まだ早い。
私は固い覚悟で頬にキスをした。彼女が16歳になり、社交界デビューするまでは”そういう事”はしない。